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彼女からは、おいちゃんと呼ばれています

ウェブ技術や日々考えたことなどを綴っていきます

ボクはネガティブな発言をしないと誓う。アナタは? - 日本のWebは「残念」梅田望夫さんに聞く

日本のWebは『残念』梅田望夫さんに聞く(前編)」という記事が ITmedia に掲載されてから12日が経ちましたが,いまだにこの議論の盛り上がり様はすごいですね。


いろんな方が様々な立場から自分の意見を書かれていますが,僕が一番明快だと思い,共感を覚えたのは次のエントリーでした。

はてなブックマークで「ネガティブすぎる人」は、梅田さんの『ウェブ進化論』を読んでネットに入ってきたような「一般人」だろうか?そうではなく、むしろ「先進的なユーザ」だと思う。どちらかといえば、『ウェブ進化論』を読んでネットに入ってくるのとは反対に、『ウェブ進化論』に対して「こんなことはとっくに知っているよ」と言いそうなくらい、「先進的なユーザ」だろう。


つまり、梅田さんが嘆く「ネガティブすぎる人」は、どちらかというと「先進的なユーザ」なのだ。ネットの一般化によって「衆愚化」をもたらす人たちというよりも、ネットが一般化する前から使っているベテランユーザであり、むしろ「ネットの衆愚化を嘆く」ような人たちなのだ。


「ネガティブすぎる人」はむしろ「先進的なユーザ」であり、本来は決して「バカ」ではない、むしろ利発で、頭のいい人たちなのだ。その先進的かつ利発な人たちが、自分の才能や時間をネガティブな言説に費やすことを、梅田さんは「残念」と嘆いているのだと思う。


この「残念」問題の核心は、ネットの一般化や「衆愚化」ではなくて、むしろ先進的なユーザの「ネガティブな態度」にある。その才能のムダ使いと、ネガティブな言説がネットを「萎縮」させてしまい、他の書き手や潜在的なユーザを締め出してしまうこと、この2つが「残念」なのだ。

ネガティブな発言がWebを萎縮させる

さて,僕は 今でこそ IT の世界に夢中になっていますが,2005年までは証券だの金融だのの世界にいて,上で言うところの

梅田さんの『ウェブ進化論』を読んでネットに入ってきたような「一般人」

に類する人間です。


公の場でブログなるものを書き始めたのは今年に入ってから。それまではブログや SNS のコメント欄に書き込むことすらしたことがありませんでした。つまり,それまで Web を外から眺めることはあっても,参加することはしませんでした。


どうして Web に参加しなかったかというと,理由はいろいろありますが,一番大きな理由は,怖かったから。自分が諸先輩方に較べたらなんと未熟であることかくらいは分かっていたので「10年早い」的な反応が返ってくるのではないかという不安があったのです。


大学時代の(たいへん人の良い)友人が,2ちゃんねるでケチョンケチョンに攻撃されて泣きついてきたという出来事もありましたし。


つまり,リアルではこんなにも図々しいタイプのボク(笑)をして,Webに参加するのを躊躇させてしまう。ネガティブな発言の影響力っていうのは,かくも大きなものなんじゃないかと。深刻なものなんじゃないかと。

ブレインストーミングに学ぶポジティブな姿勢

一方,ポジティブな姿勢というものの影響力もまたすごいですね。もちろん良い意味で。最近は特にそう思うようになりました。


これはリアルでの話になりますが,先月,加留部貴行さんという方のファシリテーションの研修を受けに行ってきたことをきっかけに,とりあえず職場の会議に

“ゼッタイに相手のアイディアを否定しない”

という鉄の掟を導入しました。


そしたらまぁ,意見が出ること出ること(笑)。上から下まで,キミたち今まで猫かぶっていたのかい?と言いたくなるほど。


もちろん,中にはくだらないアイディアも出ます。問題点を含んだアイディアも出ます。というか,むしろそんな意見が大半です。だけど,それをくだらないだの足りないだの指摘したところでいったい何になりますかって!


重要なのは,肯定的な雰囲気の中でこそ多くのアイディアが出るということ。そして,そのアイディアの質は,量によってこそ担保されるということ。

ボクは誓う。アナタは?

ネガティブな発言の影響力,ポジティブな発言の影響力。そして,もうひとつ僕が思うのは,ネガティブな発言もポジティブな発言も「内容」がネガティブ・ポジティブなのではなくて,「言い回し」がネガティブ・ポジティブなのだということ。


つまり,おんなじ内容でも,言い回しによって,ネガティブにもポジティブにもなり得るということです。


ですから,ネガティブな内容でも言い回しを少し工夫するだけでポジティブな発言に変身させられると思います。


例えば,いろんな Web サービスについて,「使いにくい」だの「操作が直感的にわからない」だのケチつけるよりも,どうやったら使い易くなるかを「ユーザーからの要望」としてあげたほうが,その Web サービスが発展するだけではなく,自分もトクできるのになーってよく思います。


発言がネガティブになるかポジティブになるかは僕たちの,言い回しに対する意識次第。




だから,僕は,今日,この場で誓います。

僕は,日本の Web を萎縮させないようにするため,今後,ネガティブな発言をしません。


それよりも,褒める。称える。愛でる。励ます。
褒めて褒めて褒めまくっていくことを誓います。


そして,もうひとつ。
いやぁ,我ながらよくもこんな図々しいことを言うもんだなと思います。だけど今日はそこを敢えて言います。今回の件は,日本の Web の転換期のきっかけにすべき良い出来事だと思うから。

皆さんも,一緒に,褒めて褒めて褒めまくっていきませんか?

追伸 - 梅田望夫さんが本当に言いたかったこと

最後に,「日本のWebは『残念』梅田望夫さんに聞く(前編)」という記事の話に戻りますけど,僕はこの記事を読んでいて,あるいはそれに関する議論を眺めていて,

「残念」って,「がんばれ」もしくは「がんばろうよ」の意味なんじゃないの?

と思っていました。嘆きではない。励ましだと。


だって,僕も,後輩職員の後ろ向きな言動に対して,「残念」だとか「がっくり」とかいう発言は,よく遣いますから。


ただ僕が遣うときはリアルな世界で笑顔と派手なリアクションもセットなので,それが「おいおい,がんばろうぜ」という励ましであることが伝わってくれますが,Web上の記事の場合はそれが文字のみなので,その真意が誤解されてしまった。なんてことはない,それだけのことなのでは?と。


ただ,今回の件を通して,多くの人が自分の Web 上での姿勢を省みる機会を得られたのは事実だと思います。もしかしたら,

本当はそれを狙って「残念」という刺激の強い言葉をあえて遣ったのではないか

と思わせてしまうところが梅田望夫さんのすごさ。